日本人と結婚している外国人の帰化申請|条件の緩和や必要書類を解説【2026年版】

日本人と結婚している外国人の方から、

「日本人と結婚していれば帰化しやすくなりますか?」
「結婚して何年経てば帰化申請できますか?」
「自分の収入が少なくても帰化できますか?」

といったご相談をいただくことがあります。

日本人の配偶者については、国籍法上、一般的な帰化申請よりも一部の条件が緩和されています。

ただし、「日本人と結婚すれば自動的に帰化できる」という意味ではありません。素行や生計、納税状況などについては引き続き確認されます。

今回は、実際に当事務所でサポートしているネパール国籍の方の事例も交えながら、日本人の配偶者の帰化申請について解説します。

目次

日本人と結婚すると帰化の条件が緩和される?

日本人と結婚している外国人については、国籍法第7条により、一般的な帰化申請と比べて住所条件などが緩和される規定があります。

国籍法第7条では、日本人の配偶者について、次のような特例が定められています。

・引き続き3年以上日本に住所または居所があり、現在も日本に住所がある場合

・日本人との婚姻から3年以上経過し、かつ、引き続き1年以上日本に住所がある場合

これらに該当する日本人の配偶者については、国籍法第5条第1項第1号の住所条件と第2号の能力条件を満たしていない場合でも、帰化を許可できるとされています。

ただし、ここで注意したいのが、2026年現在の帰化実務です。

国籍法そのものが改正され、住所条件が「5年から10年に変更された」というわけではありません。

国籍法第5条の一般的な住所条件は、現在も「引き続き5年以上日本に住所を有すること」とされています。また、日本人の配偶者に対する国籍法第7条の緩和規定も変わっていません。

一方、東京法務局は2026年4月1日更新の案内において、これらの条件とは別に、

「日常生活に支障のない程度の日本語能力(会話及び読み書き)を有することや、10年以上在留していることなど、日本社会に融和していることが必要」

と案内しています。

つまり、法律上の住所条件だけを見て、

「日本に5年住んだから帰化できる」
「日本人と結婚して3年経ったから帰化できる」

と判断するのは、現在の実務では注意が必要です。

特に東京で帰化申請を検討する場合は、国籍法上の要件だけではなく、日本での在留期間や日本語能力、日本での生活状況など、日本社会への融和という観点も含めて確認する必要があります。

日本人と結婚していれば必ず帰化できるわけではない

ここは特に注意したいポイントです。

日本人の配偶者に対する特例は、帰化のすべての条件を免除する制度ではありません。

たとえば、

・素行に問題がないか
・税金や年金などを適切に納めているか
・世帯として生活を維持できるか
・現在の在留・生活状況に問題がないか

といった点は重要です。

また、帰化については、法律上の条件を満たしているからといって必ず許可されるものではありません。

「日本人と結婚しているから大丈夫」と考えるのではなく、自分の状況を総合的に確認する必要があります。

本人がアルバイトでも帰化申請できる?

日本人の配偶者からの帰化相談では、

「私はアルバイトなので、収入が少ないのですが大丈夫でしょうか?」

という質問もあります。

帰化の生計要件は、申請者本人の収入だけを見るものではありません。

国籍法では、本人または「生計を一にする配偶者その他の親族」の資産や技能によって生活できることが条件とされています。

そのため、本人がアルバイトだからという理由だけで、直ちに生計要件を満たさないと判断できるものではありません。

たとえば日本人の夫が会社員として継続的に収入を得ているなど、夫婦・世帯全体の収入や支出を踏まえて確認することになります。

【関連記事】
帰化申請の生計要件とは?

【関連記事】
帰化申請の生計の概要(その1・その2)とは?

日本人の夫・妻の書類も必要になる

実際の帰化申請で迷いやすいのが、

「日本人である配偶者の書類をどこまで準備するのか?」

という点です。

帰化するのは外国人本人ですが、審査では家族関係や世帯の生計なども確認されます。

そのため、日本人配偶者についても、戸籍謄本をはじめ、収入・納税関係などの書類が必要になることがあります。

特に申請者本人の収入だけではなく、配偶者の収入も含めて世帯の生計を説明するケースでは、配偶者側の書類が重要になります。

必要書類は国籍、職業、家族構成などによって異なるため、法務局から案内された書類を確認して準備しましょう。

【実例】日本人男性と結婚したネパール人女性の帰化申請

ここからは、当事務所で実際にサポートしている帰化申請をご紹介します。

※個人が特定されないよう、一部の情報を一般化しています。

申請者は40代のネパール国籍の女性です。

日本人のご主人と結婚して10年以上、日本での居住期間も約12年あり、申請時には永住者の在留資格を取得していました。お子様もいらっしゃいます。

申請者本人はアルバイト、ご主人は調理師として働いていました。

このケースでポイントになったのが、

「本人がアルバイトの場合、生計をどのように説明するか」

という点でした。

本人の収入だけを切り取って判断するのではなく、ご主人の収入なども含め、世帯として生活を維持している状況を資料で整理していく必要がありました。

また、ネパールの本国書類の準備に加えて、日本人であるご主人についてどこまで書類を用意する必要があるのかも、実際に準備を進めるうえで重要なポイントでした。

確定申告をしている場合は追加書類に注意

今回のケースでは、申請後、法務局から所得税の納税証明書の追加提出を求められました。

確定申告をしている場合、住民税の課税証明書・納税証明書だけでなく、税務署で取得する所得税関係の納税証明書などが必要になることがあります。

帰化申請では、申請書を提出したら書類確認がすべて終了するとは限りません。

審査の過程で追加書類を求められる場合があるため、法務局から指示があった場合には内容を確認して対応することが大切です。

今回ご紹介したケースも、この記事の執筆時点では審査中であり、まだ帰化許可の結果は出ていません。

日本人の配偶者でも本国書類は必要

日本人と長期間結婚して日本で生活していても、外国籍である以上、帰化申請では本国の身分関係を証明する書類が必要になることがあります。

出生、婚姻、親族関係などを証明する書類は国によって制度や取得方法が異なります。

今回のネパール国籍の方についても、本国書類の確認・準備が重要なポイントの一つでした。

外国語で作成された書類には、日本語の翻訳文も必要です。

「日本人と10年以上結婚しているから、日本側の書類だけで申請できる」というわけではない点には注意しましょう。

まとめ|日本人の配偶者は条件が一部緩和される

日本人と結婚している外国人については、国籍法第7条によって住所条件・能力条件が緩和される場合があります。

一方で、日本人と結婚していることだけで帰化が許可されるわけではありません。

素行、生計、税金・年金などについては、それぞれ確認が必要です。

また、生計要件については申請者本人の収入だけではなく、生計を一にする配偶者なども含めて判断されます。

本人がアルバイトだからといって、それだけで帰化を諦める必要はありません。

大切なのは、家族構成や収入、納税状況、本国書類などを一つずつ確認し、自分の状況に合わせて申請準備を進めることです。

大田区・蒲田で日本人配偶者の帰化申請をご検討中の方へ

「日本人と結婚しているが、帰化できるか知りたい」

「自分はアルバイトなので生計要件が心配」

「配偶者の書類をどこまで準備すればいいかわからない」

「本国書類の準備が難しい」

このようなお悩みがある方は、行政書士へご相談ください。

当事務所では、大田区・蒲田エリアを中心に、帰化申請の条件確認から必要書類の整理、申請書類の作成までサポートしています。

日本人の配偶者だからこそ必要になる確認事項もありますので、ご自身だけで判断せず、申請前に状況を整理しておくことをおすすめします。

※本記事は2026年9月時点の法令・公表情報をもとに作成しています。必要書類や審査上の確認事項は個別の事情によって異なります。実際の申請では管轄法務局の最新の案内をご確認ください。

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この記事を書いた人

外国人ビザアドバイザー・国際行政書士。ライム国際行政書士事務所代表。空港で約9年間、多くの外国人と接し、来日後のビザや生活への不安を身近に感じてきました。海外で人の温かさに助けられた経験から、今度は日本で暮らす外国人の力になりたいと考え、就労ビザ・永住・帰化などを支援しています。

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